広い敷地を存分に活かした、瀟洒な平屋を訪れた。堂々たる門扉の中に、芝の外庭と奥行きのある建物が広がっている。建物の外壁に塗りはめられた陶皿を始め、庭のあちこちに飾られた、愛嬌たっぷりのシーサーや陶器の大鉢が、住む人の個性を物語っている。
ここは、こつこつと集めてきた大切なコレクションに、日の目を見せたくて建てた家だという。 「失敗の少ない白は、敢えて使いたくなかった」と言うご主人。すべてが自然素材の風合いを残し、洋風のシャープなラインと和の素材感が見事に融合している。 両手を広げても余るほど、幅のある引き戸の重厚感が、その向こうの空間への期待を高める。 ゆっくりと開くと、リビング一間分ほどもある、三和土と玄関ホール。上り框(かまち)も調度品に合わせ暗めに彩色。素足に気持ちの良い畳が、そのまま廊下まで続いている。
広い中庭を囲むロの字型をしている邸宅は完璧なまでに洗練されているが、家じゅうのどこにいても互いの存在が感じられる構造が、何とも温かい。外側にはあまり大きな窓はないが、内側がすべてガラス張りのため、採光は充分。庭は、造園の経験などないご主人が、すべて手作りしたというから驚きだ。猫が遊べるように、2カ所に配した愛らしい土管は、探し回ってやっと見つけたもの。あちこちに愛嬌のある姿を覗かせる中庭を囲む家で、いつも視界に緑を。